山並みを一面に描いた手ぬぐい。
広げて撮るか、畳んで撮るか
真上から撮るか、斜めから撮るか。
……迷ったことはありませんか?
山地図やノートも
どの角度から写真に収めるとよいのか
判断するのが難しいところです。
そこで今回は
平面的なアイテムとの向き合い方を
写真家・加戸昭太郎さんに教わります。
【Index】
第1回:
四角いものを歪ませずに写真に収める
第2回:
食べものをおいしそうに見せる
第3回:
山バッジを雰囲気ある質感に
***
友里:
「大柄の手ぬぐいを
どう撮るのがいいのか
いつも迷ってしまって」
加戸:
「デザインを全部見せたいなら、
広げて真上から撮るのがいいやろね」
そう言いながら手ぬぐいを広げ、
おもむろに椅子の上に立って
高い位置の真上からパシャリと撮る加戸さん。
佐藤(KUKKA):
「畳みじわがついたままなのが、
意外にもいい感じですね!」
友里:
「これまでシワを消すために
アイロンをかけたりしていたけれど、
ふわっとした感じの方がしっくりくる!」
加戸:
「そうやね。手ぬぐいらしく、
ラフに扱ってええんちゃうかな」
佐藤:
「真上から撮るのが鉄則ですか?」
加戸:
「うん、大きなものを斜めから撮ると
歪みや背景の映り込みが気になるからね」
***
次は手ぬぐいを折り畳んだ状態で撮影します。
加戸:
「柄のどの部分が好きか考えて、
畳んでみてね」
友里:
「やっぱり、山と山小屋の
名前は入れ込みたいかな」
加戸:
「山並みに動きをつけても
いいかもよ?」
そこで中心をやや浮かすように
置き直してトライ!
友里:
「ひと工夫で印象が全然違う!」
加戸:
「お花を目立たせたかったら
こんなふうに撮るのもありやよ」
加戸さんがパシャリ。
佐藤:
「背景の映り込みが気にならない範囲で
角度を変えるのも、おもしろいですね!」
友里:
「これまでぴっしり撮ろうと、
難しく考え過ぎていたかも!」
***
続いて、山地図やノートの
撮り方を教わります。
友里:
「まずは1回目に教わった
四角いものを歪まずに写す方法で
撮ってみようかな。
ワッペンも添えてみよう!」
テーブルの木の目に合わせて、
まっすぐにセッティングして
友里さんがパシャリ。
加戸:
「上達してるやん!」
友里:
「えへへ。
でも今回は、もう一歩進んで、
雰囲気ある撮り方をしてみたいな」
加戸:
「おっけー。そしたら
ホワイトバランスを設定してみようか。
いじったことはある?」
友里:
「森や苔を撮る場面で、
緑の印象を思い描くものに近づけたいとき、
ホワイトバランスをいじったことがあります。
晴れや日陰、蛍光灯モードとか
いろんな種類があって、色味が変わりますよね」
加戸:
「そしたら、
好みの色合いになるモードを探してみようか」
友里:
「はいっ」
まずはホワイトバランスを
「オート」でパシャリ。
次に、ホワイトバランスを
「日陰」モードにしてパシャリ。
友里:
「黄みのある、やさしい光になって、
山小屋っぽい雰囲気を出せたかしら??」
加戸:
「いいね!
そしたら次は並べ方。
いくつかモノを置くときに、
一つだけきっちりまっすぐに置かれていると
違和感が出ることを覚えておいて。
次に、影を意識してみようか」
ノートの下に小さく切った消しゴムを置いたり、
ワッペンを重ねることで影を作る加戸さん。
そしてパシャリ。
佐藤:
「背景が暗いと、雰囲気が出ますね。
山小屋で地図やノートを広げた
記憶も蘇ってきます」
友里:
「机をどれぐらい写しこむか、
迷うな〜〜」
加戸:
「好みの問題でもあるから、
いろいろ試してみるといいよ」
部屋の壁が入らぬよう
机に近づいてパシャリ。
机の輪郭が入らぬよう、
さらにもうすこし寄ってパシャリ。
友里:
「いい感じ!!
心のなかにある山旅の思い出と、
いま撮った写真の雰囲気が
一致したような気がします。
理論をつかめば、
上手く撮れるようになれそうな
手応えを少しずつつかめてきました」
佐藤:
「友里さんの連載「てくてく茶屋」でも
さっそく山メイク道具の紹介がありますし、
練習の機会がたくさんありそうですね!」
加戸:
「またわからないこと出てきたら、
なんでも聞いてね」
友里&佐藤:
「…心強い!!!
ありがとうございます!」
***
写真家・加戸昭太郎さんのご協力いただき、
全4回にわたってお届けしてきました、
連載「四角友里のカメラ修行」。
大切にしたい記憶や被写体への愛が
いい写真を撮ることにつながると
実感することができました。
今後も山×写真をテーマに、
四角友里さんと不定期で連載をしていきます。
今回の記事を参考に、
ご自身のカメラやスマホで撮影されましたら、
SNSに #kukkalesson のハッシュタグで
投稿していただけると嬉しいです。
これからの記事づくりの参考にさせていただきます。
【Index】
第1回:
四角いものを歪ませずに写真に収める
第2回:
食べものをおいしそうに見せる
第3回:
山バッジを雰囲気ある質感に