Go hiking with KUKKA

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【連載|四角友里のカメラ修行】第3回:山バッジを雰囲気ある質感に 山みやげの定番、ピンバッジ。自宅で写真に収めようとすると、表面がテカってしまったり、いくつか並べると角度が整わなかったりします。そこで第3回も四角友里さんと一緒に、プロから撮影のノウハウを教わります。

【連載|四角友里のカメラ修行】第3回:山バッジを雰囲気ある質感に

山みやげの定番といえば、ピンバッジ。
山小屋ごとに個性あふれるデザインを見ると、
たくさん持っていても
ついほしくなってしまいます。

四角友里さんも
旅するごとに集めているそうで、
仕事部屋の棚の上には
ピンバッジや缶バッジ、ワッペンが
所狭しと並んでいました。

そこで今回も、
お土産に持ち帰ってきたピンバッジの撮り方を
写真家、加戸昭太郎さんから教わります。

【Index】
第1回:
四角いものを歪ませずに写真に収める
第2回:
食べものをおいしそうに見せる

***

友里さんの仕事部屋、
棚上の一角に並ぶ、おみやげコレクション。
この他にも、ボックスに眠っているものが
たくさんあるそうです。

友里
「光があたる窓のそばに
全部を移動させるのはすこし大変……。
いつも飾っている場所で
うまく撮れたらいいな」

そこでまずは、置かれたままの状態でパシャリ。

友里
「うーん、まとまりがない」

加戸
「照明の光が反射するのも気になるね。
バッジの置き方を工夫してみようか」

そう言いながら、加戸さんが
取り出したのは、消しゴムとカッターです

加戸
「テカリが気になるピンバッジには
下に消しゴムを入れてみようか」

友里
「なるほど、この消しゴムで、
ピンバッジの角度を調整するんですね」

思い思いの方向を向いていたピンバッジたち。
消しゴムで角度を整え、
絵柄が反射しないように並べ直していきます。

 

友里
「バッジが正面を向いて、
写りがよくなってきた!
でも次は、手ブレが
気になり始めちゃった」

加戸
「日が差し込む窓辺で撮るより、
この場所は光量が少ないからね」

山小屋や屋内など暗い場所で撮影すると、
絞り(ピントの合う範囲)が浅くなってしまったり、
シャッタースピードが下がり、
手ブレも起こしやすくなるのだそう。

加戸
「カメラの設定で、ISO感度を上げてみて。
感度を上げることで絞りをより深くできて
手前から奥までくっきりと写るようになるし、
シャッタースピードを早められるよ。」

ただし、感度を上げすぎると画像が荒くなるので
写真を大きいサイズでプリントしたい場合などには
注意が必要です。

カメラの設定を変え、バッチをすこし中央に寄せて、
もう1枚、パシャリ。

佐藤(KUKKA)
「まとまりが出たし、手ブレも気にならないですね!
あとはピントをもう少し絞ってみようかな」

加戸
「カメラの設定を変えるのが難しければ、
三脚を用意するといいよ。
最近は4000円ぐらいで買えるから」

友里
「なるほど、また欲しいものが増えちゃう(笑)」

加戸
「友里ちゃんがカメラにつけてるストラップも、
首で固定できるから有効やよ!」

***

次は、ピンバッジの数を絞って
明るい場所で撮ってみます。

加戸
「いっぱい並べて撮るのもいいけれど、
主役をわかりやすくするには、
テーマを決めるといいよ」

友里
「たくさんあったほうが
映えるかなと思ったけれど、
同じ山域の山バッジに絞ってみようかな」

そこで、友里さんは二つを選び、
窓のそばの白い棚の上でパシャリ。

友里
「模様の色や凸凹が光っちゃう……」

加戸
「太陽の光で明るさは充分だから、
照明を消して、レフ板を使うといいよ」

友里
「バッジに集中してたら、
照明とレフ板のこと、
すっかり忘れてた〜〜〜〜!
状況に合わせて、
テクニックを組み合わせる
必要があるんですね」

加戸
「カメラを構える位置を変えても、
質感が変わるから、試してみてね」

気を取り直して、友里さんがパシャリ。

友里
「何が正解か
よくわからなくなってきた……」

加戸
「被写体から距離をとって、
ズームレンズで寄ると
背景をぼかせていい感じになると思うよ。
小さいものに寄って撮れるマクロレンズも
こういうときに便利だよ。お花もアップで撮れるし。
でも、友里ちゃんのカメラは
単焦点の広角レンズやからちょっと難しいよね。」

友里
「ぎゃあ、やっぱり、
レンズを買い足さないと〜〜!」

次に、加戸さんがマクロレンズを使ってパシャリ。

できあがりがこちら。

佐藤
「すてき。ブーツが雪山に向かって
歩いてるみたいに見えます」

友里
「画角の左側に
ピンバッジを寄せてるんですね。
余白の作り方、さすがです……」

ニヤリとする加戸さんは
ブーツの山バッジだけに絞って
もう1枚パシャリ!

友里
「うわぁ。登山靴が歩きだしそうっ!
一気に物語性が出ましたね」

写真を撮ることで
山への想いがさらに募っていきます。

***

次は手ぬぐいや山ノートなど
平面的なものを雰囲気よく撮る方法を習います。

【Index】
第1回:
四角いものを歪ませずに写真に収める
第2回:
食べものをおいしそうに見せる